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Re: 花籠に落ちる夢(将軍様と一対一) ( No.32 )
日時: 2022/04/11 00:30
名前: 白楼雪 (ID: ZaRDEJta)


「頭を上げてください。先にも言いましたが、時代は流れ変わるもの。私の家系もその波に抗えず溺れ沈んだ内の一節に変わりません」
座椅子から降り、土下座をする目の前の男性に、椿は驚きながらも落ち着いた声を掛ける。
先程までは随分と無礼な男性だと呆れ内心気分を害していたものだが、どうやら目の前彼には誠実さと礼儀を持ち合わせた良き殿方だったらしい。
「確かに、父上と兄上の命を奪い、些細な幸福の下生きれれば良いと思っていた家族、母上と妹達を苦しめ不幸に落とした者を恨んだ事はありました。衣を着せずに言うならば、今もあの時の青年に憤慨する思いはあります。ですが、悪いのは時の流れでもそこに生きる者達でもありません。古から皆時の流れの中で生を全うしてきたのですから」
驚きは苦笑へと変わり、落ち着いた声色は優しさを交合わせる。
「ですから、貴方は悪くありません。頭を下げる謂れは無いのですよ」
最後に微笑むと、彼の髪を柔らかく撫でた。