「はい、覚えておきますとも。貴方の心事が叶いますよう、万民に幸福が訪れますようお祈りしております」穏やかな微笑みで彼の頭を撫で優しい声で告げると、彼の髪からゆっくりと手を離す。「殿方というのは幾つ歳を重ねても幼さの名残があるものですよ。私の母上もそう申しておりました。威厳を思うは殿方が多く、女性という者は殿方の内にある脆さ幼さも慈しむ。そういうものです」離した手で口元を隠しくすくすと小さな笑い声を溢した。