「かしこまりました。ただいまご用意いたします」新城の言葉に頷き、部屋から廊下へと続く障子を開けると店の者に茶の入った急須と湯呑み等の茶器を用意させる。「お待たせ致しました。どうぞ」瑪瑙色の湯呑みに急須の玉露茶を入れると、その湯呑みを静かに卓に置いた。