「篭の鳥が空を願うのは、どの鳥も変わらない事ですよ。私も、その為に家族への仕送りとは別に金銭を貯めております。そうですね、病に掛からず、落ち目にならずならば、あと五年も過ぎれば私自身で出れるかもしれません」先は長く、花魁という立場から望みは薄いが、奇跡的に叶わないとも限らないと暗に告げる。