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>>19

凪沙「っくし・・・。」

笹崎には気がつかないまま小さくくしゃみをし、鞄に財布を入れ忘れたことに気がつき傘、買えないな、と考えていて。
知り合いに迎えに来てもらおうと連絡するも繋がらず、自宅マンションは近いのだがこれ以上濡れてしまうのも嫌なのでじっと待っていて。

一「・・・これ、良かったら。」

若者二人組をちらりと見ながら、知り合いなら悪いことをしたな、と思いつつも、先ほど傘の代わりに買ったタオルと暖かいコーヒーの入った袋を差し出しながらそう言い。
不審がられていると思い、「・・・困ってるみたいだったから、使って。」と少し目線を逸らしながら付け足して。