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>>33
>グレア様

「それじゃ行こうか」
さりげなく傘の柄を掴み、青年が雨に濡れないように傾ける。
アスファルトを打つ雨水の音と青年と歩く靴の音が、津々と降る雨音に曇らせられていく。
「あのマンションなんだが、君もそこか?」
角を曲がり更に進むと少し背の高い建築のマンションが見えてくる。
築年数は程々だが、リフォームもされており綺麗なもので、一階には玄関ホールとオートロックの入り口。エレベーターも完備済み。
笹崎の部屋は一人暮らしには充分の2DKという作りである。