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Re: 【ギリシャ神話】『 星の遊泳 』【星旅物語/指名制】 ( No.11 )
日時: 2023/08/16 04:09
名前: 語り手 (ID: OZDnPV/M)


お星様/火星

名前/Mars

外見/20代後半の、筋骨隆々な雄々しい体格。背丈は180cmほど、肌はやや日焼けした淡褐色。鍛え抜かれた腕や脚には幾筋もの血管が浮く。
髪は宛ら燃えているかのような、頭頂部のみやや白い、炎色のアップバングショートヘア。艶はなくパサついている。目はぎらぎらした金で、その気がなくとも人を睨みがち。顔立ちは男性型の星々の中でもかなりの美形、但し生来の好戦的すぎる性根が滲み出てそれを大きく損なっている。
赤いジャケットの下に黒のタンクトップ、ミリタリーパンツに白いスニーカーといった動きやすい服装。足癖の悪さからスニーカーはすぐに汚れる。

気性/『本来は』血の気が多く、粗暴で傲慢な青年。ドアは足で蹴り開け、花壇は平気で踏み荒らし、気に入らない者はすぐ脅し、暴力への躊躇いもない。地球の人間に生まれたならば暴力団やギャングといった人種になっていたはずで、幾度もの刑務所入りはまず確実。我が強く、言いたいことははっきり言い、神相手にすら遠慮を知らない──それがある意味健全に見えるときもあるが、星々の中では異質だろう。
然し、自分と違って至極穏やかな親友Earthの影響を受け、誰かと共存する上での調和の重要さ、また自分の性格が難を呼ぶことを理解してはいるらしい。そのため、不器用ながらも言動の改善に努めようとする様子が見受けられる。が、本来の性格が出てしまうことがまだまだ多く、うまくいっていない模様。
数少ない長所として、ひとたび情を抱いた相手のことは心から労り、時には庇護するために動くのを厭わない。容易く暴力をふるう手足は、身内を助けるための動きもまた早く大きく、その広い背中は時に頼もしく映る。


備考/ギリシャ神話におけるアレスは、戦の狂乱と破壊を司る神。Marsはその性格を引き継いだままに、争いや悲鳴、一方的な蹂躙や略奪を好む、粗野な精神が根底にある。
平和な方舟生活ではこれを持て余すため、今や肉体という制限を得た己を倒し得るかもしれぬオオカミやイノシシなどの猛獣を探しだしては即喧嘩を売り、高笑いしながら正面衝突して発散する始末。破壊衝動の権化であり、戦闘狂の馬鹿である。もしくは、あまりに壊すことに慣れ過ぎているため、その気がなくても「あ」などと呟きながらうっかり壊す。Jupiterからの懲罰は星々の中でも最多だろう。
半面、Venusの美貌に弱いようで、攻撃的な言動こそぶれないものの動揺がわかりやすい。また、それまで見かけたことなどなかったはずのPlutoに対しては、妙な面倒見の良さを発揮する。本人曰く「なんかしてやらねえといけない気になる」。いずれも、神々の関係の名残によるもの。

惑星としてのMarsは、Earthよりわずかに早く生まれ、幼いころはともに海をたたえていた。地球に対し、血の気の多いMarsにしては珍しく純粋な友愛を抱き、心の底から大切に思っている様子。ふたりでその身に生命を宿し、それぞれの生命たちの王女王になるという夢を抱いてすらいた。
然しMarsは、「力こそ正義」という暴力的な信念によって人望、『惹きつける力』、つまり引力が、Earthに比べて弱かった。Marsの苛烈さを恐れた大気たちが逃げ出したことで水をも失った末に待っていたのは、生命なき星と成り果てる夢敗れた末路。一方、親友のEarthはそのおおらかさによって、時間は掛かりつつも1000万種以上の生物を育むことに成功した。それを見て、己が己のようであったからひとり破滅する羽目になったのだ、と理解したMarsは、強烈な挫折と劣等感に打ちのめされてしまう。
然し、数十億年もそばにいて特別に思ってきたEarthを、今さら嫌えるはずもない。地球を見つめれば見つめるほど突きつけられる自己否定に傷つきながら、それでも地球の持つおおらかさを自分も取り入れ、かつての夢を叶えようと不器用ながらに四苦八苦している、それがMarsの現状である。……自分が心底羨む「生命を宿す星」としての成功の結果、彼女のおおらかさが育んだ生命ら自身によってEarthの身体が酷く蝕まれていることは、まだ知らない。
Earthの次に距離の近いJupiterについては、その厳格さが己の奔放さと致命的な相性であるため苦手意識を持つ。一方で、JupiterのSunに対する複雑な感情にシンパシーを抱いてもおり、苦手ではあれど嫌いにはなれない。そのためどこかで話をしてみたいとうっすら思うものの、自分のやらかしとJupiterからの懲罰がそれを塗りつぶしていく日々。


旅について/「信念を曲げてでも、自分も地球と同じように、生命を宿す星となりたい」「まだまだやり直したい」そう思っていたMarsにとって、まず自らの寿命が果てることそのものが受け入れ難かった。それでなくとも自分の命は自分のものと思い、星々の中でも生きることへの諦めの悪さは突出。
くわえて、『死出の旅』なる「頓珍漢なクソ」を用意され、ほとんど強制的に付き合わされることに対して怒り心頭。星としての俺と個々にいる俺を勝手に切り離すだなんて余計な真似をしやがって、誰がおめおめと漫遊旅行なんざしてやるか、ぶん殴るからツラ見せろ、と鼻息荒く方舟の中を探し回り、方舟の外にいるならばそこへ乗り込もうと方舟の操舵室を探り、何か知っているであろうカロンにも詰め寄りがち。
然し他の星々と交流を重ねるうちに、夢半ばであれど死は平等に訪れること、それを受け入れての穏やかな余生の中にも得られるものがあることに気づいていく。

余談/「生命を宿す星」になる夢を抱くものとして、地球を模した方舟内の環境には「Earthの育んだ世界を知るため」「いずれ自分も築き上げる世界の参考」という観点から、純粋な興味を抱くようになる。その一環で、生命活動の象徴のひとつ、「食事」を趣味にし始める。特に肉料理が好み。

参加者様に向けて/元々の気性の荒さ故、初対面ではとっつきにくいと思われますが、「劣等感と克己心から、自分の苛烈さを改善しようと考えている」「親友Earthにクソデカ感情を抱いているので、当初の段階でも地球絡みならば即動く」「脳筋であるぶん口車にはとことん乗りやすい」「肉につられる」などのチョロ要素が複数あります。「花壇荒らすとEarthが泣くよ」とでも言えば、ブツブツ言いながらも大人しく修繕するイメージです。高いところのものを取らせたいとき、重い荷物を持たせたいときにも、同じような策略が効きます。基本的にアホの子と思っていただければ。
それ以外にも、「穏やかさを学んでいく」「他の星々を思いやることを学んでいく」「確定した死を受け入れていく」などの要素を予定しておりますので、次第に落ち着いていくMarsと絡んでいただければ幸いです。

また、設定中に一部他キャラクターとの関係を匂わせていますが、押し付けの意図はございませんので、修正対応はお気兼ねなくご相談ください。特に記載のないキャラクターとも、逆にモチーフとなる要素がない分、自由な関係を織りなせたらと思っております……!

ロルテスト/
終わりだァ……? ふざけんな、誰が付き合うかよクソッタレ。俺は自分から棺桶に入る趣味はねえ!

(迫りくる星としての死期に必死に抗っていた矢先、不意に受肉したそれは、まるで親友Earthの育んだ人類の肉体。あまりに不可解な現象に己の掌を見つめながら驚愕していたのも束の間、背後の声に振り返れば、覇気のない華奢な子どもが悠然と此方を見つめていた。その薄い唇から紡がれた言葉は、これまた理解の及ばないもの。だが確実に、己の神経を酷く逆撫でするもので。

──得たばかりの肉体を、それでも瞬時に扱いこなしたのは、戦の神のなせる業だろう。カロンと名乗ったその子どもに一瞬で肉薄し、丸い船体に激しく叩きつけ、細い首を片手でぎりぎりと押さえつける。うっかり縊り殺してしまわぬようにはするが、それでもその寸前まで力を籠め、怒りで口元が笑むように歪むのを抑えられない。
この子どもは、己が内心恐怖していた「死」について何でもないことのように触れ、何にだかわからないがいきなり付き合えなどとほざいてくるのだ、非常に不愉快極まりない。直感が囁くに、こいつはおそらく冥王星の衛星だろう、死に近い星ならばこの現象のわけも知っているのか。自分に何が起きたのか吐かせようか、戻せるなら元に戻すよう脅しつけるか。そんな激情に駆られながら低い声で息巻いた己を、カロンは白い目で涼やかに見返し、一言……『貴方の盟友もすでに船内にいらっしゃいます』、そう告げた。

途端、すべての荒々しさが嘘のように引いていき、カロンを締め付けていた手をぱっと下ろした。表情の失せた顔、そこに浮かぶ金色の見開かれた目は、カロンを見るようで見ていない。……Earthが、あいつが、あいつも、すでに。狼狽で視線が揺れ、言葉にならない衝撃と葛藤で思考は白く染まる。それを、咳き込むこともなくただじっと見守るカロン。
様々な奔流に飲まれ続けた数分の後、結論は出た。カロンの前に膝をつき、震えながら声を吐き出す──敗北を宣言するような、弱々しい声で。)

それを、先に、言えよ。……乗るに、決まってるだろうが……

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ロルテについて、本人の性格描写のため少々確定描写を盛り込ませています。
奪われてしまったからこそ、生への執着を抱く様子も然り、地球への真心と比例した劣情に苛まれるいじらしい姿、「最初こそ反抗的だったものの、仲間たちと過ごすうちに、死に向かう旅を次第に受け入れていく」という旅に対する疑問や抵抗も他には無い火星持ち前の要素を込めました。