>>10其所は窓一つ無い薄暗い部屋だった。灰色のコンクリートが打ちっぱなしとなった、八畳ほどの部屋。部屋の壁際に置かれたダークウッドのロッキングチェアに、その男は両腕を手摺に。両脚は僅かに開くように椅子の前足へと革枷で繋がれていた。今この部屋には意識を失った青年以外、誰も居なかった。