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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.123 )
日時: 2025/05/06 13:46
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)

>>122

>マリーシュカ

 心配されている。それは相手の表情からはっきりと伝わってくるものだった。慣れないくすぐったさに思わず苦笑が漏れ、頬を掻く。
「そのように言われるとは……レナードさんにもレンブラントさんにもよくしていただいています。ここでの危険性を知れたこともそうですし、先日は音楽室に連れて行っていただきました。音楽に触れあうのも久々で、楽しい時間でしたよ」
 人が築き上げてきた社会と彼らの生き方は全く違う。文化圏が違えば価値観が違うのは当たり前のことだと割り切ろうとしていたが、マリーシュカの反応から見ると彼らは少々変わっていたのかもしれない。
 いや、目の前の彼女こそがこの屋敷では変わり者なのだろうか。
 どちらにしても、人間であるウィリアムに対して親切に接するマリーシュカの気遣いが嬉しかった。
 改めて自分が過ごしてきた部屋を見渡す。全く手を加えていない、客室のような部屋。
「元々各地を回って旅をするのが趣味でして、先々で荷物を広げることもなかったものですから……それでも言われてみれば、少し物寂しさはありますね」
 自分が借りていた小さなアパートの一室を思い出す。最近借りたその部屋で過ごした時間は少ないものだったが、世界各地の文学が並んだ本棚や新聞記事のスクラップブックが積み置かれた風景に居心地の良さを感じていたのは間違いない。もう二度と戻れないあの部屋を今まで思い出さなかったのは、胸にじんわりと広がる虚しさを忘れるためだったのだろうか。
「絵画を一つ置けばまたここの雰囲気も変わるでしょうね……でも、生憎私にはそのような教養がないもので」
 剝製の言及に関してはやんわりと回避し――何の剥製を作るのか分からない恐怖があったため――絵画に賛同してみるが、どちらにせよ自身で生み出すには技術も知識も足りない状況だと白状する。