>ウィリアム(>>123)
あら…、
(そっと口元に手を添えて残念がるようにそう零したのは、貴方の好むものを一つでも知ることが出来そうだという期待が実らずに終わったからで。しかし貴方の口ぶりを聞いていればインテリアに全く興味がないというわけでもなさそうと考えを巡らせ。素直に提案を受け入れてもらえたことに嬉しい驚きを覚えながらも、それを表面に出すことはなく只々微笑みを深めて「 何言ってるのよ。共有する楽しみが目的だし、私だって自信たっぷりという訳でもないわ 」茶目っ気たっぷりにそう答え。「 今度一緒に作りましょ、楽しみね 」ちゃっかりと2人でクラフトする気でいるらしく、まるで同棲を始めたばかりのカップルが一緒に家具を選ぶような希望に満ちた雰囲気をまとい。どうやらこの部屋へ缶詰めでは無かったという事実に胸を撫で下ろすも、幼馴染が連れ出したとは聞いてないので、お供があの悪魔であればきっとそれなりに重い対価を要求したのだろうと想像は易く「 ここでは、あなたこそが最も価値を持つの。……それをよく解っているのね 」それはどうしようもないこのお屋敷の摂理ゆえ励ます術を持たず、薄い諦めの混じった感心を声に乗せるしか出来ず。それでも絶望まで味わう必要は無いとでも言いたげに「 だからこそ、あなたが作り出したものにも果てしない価値が宿るんじゃないかしら 」自分を切り売りする以外の方法もこの屋敷にはあると続けて。きっとそれが通じる相手がいれば通じぬ相手もいる事は容易に想像が出来るだろうが……それであれば通じる相手に頼めばいい事だろう。一拍置いて、恥ずかしそうに眉をハの字に垂れさせ「 つい楽しくて立ち話をしてしまったわ。ここ、よろしいかしら 」すすす、と床の上を滑るかのような所作でソファーに近付くも部屋の主の許可を得るまでは決して腰を下ろさずに穏やかな微笑のまま反応を待って。)