大人なりきり掲示板
- Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.133 )
- 日時: 2025/05/07 12:47
- 名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: iv8UKAb0)
>>132
>マリーシュカ
「最期に……あぁ、あれはそう言うことでしたか」
何が何だかわからないうちに血を飲まれ、レナードが放った言葉。この黒薔薇の屋敷でこの命が絶えるならば、誰からも忘れられた骸は永遠に世界から忘れられてしまうのだろう。人間の世界で唐突に消えた自分がどのような扱いをされているかは分からないが、そんな絶望の中で名前を呼ばれるのは幸運なことなのかもしれない。
誰でもいいわけではない。そう呟いたマリーシュカの声はどこか沈んでいるような気がした。
「それが望んでいない誰かであっても、最期に名前を呼ばれるのは……その人を救うものだと、私は思っています」
友人の死に立ち会った日のことを思い出し、祈るようにその名前を叫んだ感覚が胸の奥で痛みを蘇らせる。結局は死んだ者にしか分からないことだ。あまりにも自分勝手な言葉だったと苦い笑みを噛み潰すが、話題が逸れたことにほっとする。
「ダンピール……違う種族なんですね。レンブラントさんもあまりよくはおっしゃっていませんでしたが」
暗い屋敷の廊下を歩きながらの会話を思い出していれば、その住人のことを聞かれて更に鮮明に思い出そうと首を傾げた。
「ええ、楽しかったですよ。とても……気の抜けない方ではありますが、刺激になりますし……あぁ、ヴァイオリンの演奏も聞かせていただきました。ここには素敵な音楽室があるんですね」
音楽室に響く美しい音色は素晴らしいものだった。あれだけの腕前なのだから他の住人にも聞かせているのだろうと思いながら伺うように目の前の紫色の瞳を見つめる。
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