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- Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.136 )
- 日時: 2025/05/07 22:14
- 名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)
>>134
>マリーシュカ
「……ありがたいお言葉ですね」
どこか切実な、小さな独白のようなマリーシュカの言葉に笑みを返す。
実際、自分が死ぬ瞬間などまだ想像もできない。親しい誰かの死を前にして実感しても、自分の死を隣に感じることはほんの少しだった。たった今でも、目の前に自分を一瞬で葬り去る力があるとしても、自分が最期に見る景色を想像できない。
「ええ、この部屋の相談もさせていただきたいですし、また近いうちに手紙を書きますから」
ここまで言葉を交わせることも久しぶりだ、相手の機嫌が良いのであれば本当に手紙を書いてまたこうやって話をするのも悪くない。紅茶に口をつける様子をちらりと見ながら自身も静かに匂いを楽しむ。
「そうなんですか? てっきりあのような場に慣れていらっしゃるんだろうと思っていましたが」
これ以上のレンブラントへの言及はなく、心配してくれたのだろうと彼女の優しさを改めて感じる。
そんな気遣いの延長か、マリーシュカはあれこれとレナードの好みを挙げていく。あれからこの部屋にやってこないかのヴァンパイアが、自分に会いにまたここへやって来るとは思えなかった。しかし楽しげに同胞だと言う彼のことを話す目の前の女性につまらない断りをすることは避け、静かに相槌を打ちながら話を聞く。
そして不意にやって来る提案。思わず口の中に含んでいた紅茶を勢いよく飲み込んだ。
「お、オリジナルの話、ですか……」
なんとか咽せ返すことは避けたものの、衝撃はおさまらず、慌てておいたティーカップから甲高い音が聞こえた。
「しかし……気に入っていただける話を書けるかどうか。読書好きと言うことであればさまざまなものを読んでいらっしゃるでしょうし」
ちらりと見てみればマリーシュカの紫色の瞳がこちらを見つめている。断れない。
「……はぁ、ええっと……参考までに、レナードさんはどのような本を好んでいらっしゃいますか」
自分が今までやってきたのは所詮子供の戯言の延長線。歯が立つとは思わないが。