大人なりきり掲示板
- Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.138 )
- 日時: 2025/05/08 00:12
- 名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)
>>137
>マリーシュカ
ここまで素直な人がいるのだろうかと不思議な心地になる。ヴァンパイアを伝承通りに信じるのであれば、人間よりも強大で長い寿命を誇る種族だ。彼らにとって人間などとるに足らない存在であるだろうに。
レンブラントも言及していたこと、この屋敷にとって人間が価値を持つことをなんとなく実感するところでもある。
「そうやって、多くに手を差し伸べようとするあなたの姿勢は素晴らしいものですし、それを臆病や狡いという言葉で押し込めることはありませんよ。そう、あなたが手に取れないときは、誰かが手に取ればいいんです。私はいくらでもお手伝いいたしますよ」
二人を一人が助けられないのであれば、二人を二人で助けたらいい。マリーシュカの真摯な様子に打ち解けた心は真っすぐに手を差し伸べる。彼女のいうどちらとも、は状況的に言えば自分のことになるのだろうが。彼女のことだ、きっと他にも気にかけている者がいるだろう。
どこか幼くも見える彼女の嬉しそうな様子を見ながらウィリアムも自然と笑みを浮かべていたが、どんどんと進んでいく話に内心冷や汗をかいていた。コウモリが持ってきた書き物をするための道具を見て少々顔色も悪くなってくる。
「ああ、えっと……その、マリーシュカさん」
いつものごとく使い魔に軽く礼を言いながら受け取りつつも、万年筆の握り心地を確かめる指先には中々力が入らない。
「……実は、そう、小説家の真似事のようなことをしていたんです、実は。何件か出版社にも掛け合ったりしていたんですがまぁ、ダメ出しの嵐で……つまるところその」
自信がない。その一言が情けなく喉の奥に引っかかる。女性を前にして泣き言を言うのもどうかと思うが、今のウィリアムには単語を一つ書くだけでも苦痛なのだ。そこからどう何をひねり出せばいいのだろうか。