>ウィリアム(>>138)
なんだか私にはあなたが輝いて見えるの。……あんまり近くにいると、その眩さにあてられてしまいそう
(最後の言葉は冗談か否か、唇に指を添えくすくすと笑って。「 ふふ、不思議ね 」誰にでも優しい怪物は、それでも貴方に対しては他の獲物とは一線を画するであろう何かを確かに感じていて、しかしそれを具体化出来ていないために自分でも未知の感覚を不思議と形容してはティーカップの中身を飲み干し「 それで私があなたを食べたくなってしまったら――レナードとの取り合いね 」欲張りをぶつけたその先、愛せない獲物は食べないという自身の拘りを貴方が突破したのなら。変わらず表情には微笑みが浮かんでいるものの、瞳の奥には確かな捕食者としての矜持が妖しく煌めきを増して「 彼も私も、仲良く食事を分け合うなんて柄じゃないの。やっと巡り会えた大切な食事だからこそ、徹頭徹尾独り占めしたいのよ 」自身が危惧しているのはまさに国盗り合戦よろしく貴方を巡った争いで「 もしそうなったら…ふふ、私は絶対にあなたを譲らない 」自分の愛に泥を塗る様な真似はしない、と。あれだけ大切にしている馴染との衝突も厭わないという強い意志は柔らかな声に一本の筋を通して凛と響き。「 そう……、焦らなくても良いのよ。あなたが若しまた綴りたいと思えた時に、書いてもらったら良いわ 」顔色が変わってきた彼を心配そうに見入れば、紡がれた事柄に納得し無理にしなくても良い事も伝え。「 ただ、その万年筆、とても滑らかで書きやすいの。だから、書けると思えた時、あなたに使ってほしくて 」貴方の手中へと渡った万年筆へ視線を移してそれが自身の私物であることを示唆しながら、きっとこれからたくさんの文字をしたためなくてはならない貴方の方が有効活用出来るだろうから持っておいて欲しいと託そうとして。貴方のティーカップも空っぽになっているのなら、緩慢な所作でソファーから立ち上がり「 さあ、今夜はそろそろ御暇しようかしら。ウィリアムの紡ぐ物語、もし気が向いたら私にも教えてね 」話しながらまたしても床上を滑るように衣擦れのわずかな音だけを引き連れて正面に座す獲物へ近付き、そっと頬に手を添えては額へ触れるだけのキスを落として「 よく眠れるように、おまじない 」母のような慈愛と娘のような茶目っ気を同時に内包する微笑みを向け「 ウィリアム、おやすみなさい 」告げた挨拶の後、何か別件で引き留められなければそのまま足元から順に霧になって消えゆくだろう。)
この後、イベントか又はもう一回ギレルモに会う前にレナードを会わせたらどうかなって思ってるんですが、どうでしょうか?