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>マリーシュカ

　予想していたよりもマリーシュカは積極的らしく、冷たい唇が更にもっと深くと、無言の許しを得たような気持ちになる。
　ここから先は一度しか経験したことがない。友人である彼女に対して、はしたない行為ではあると思いつつも、応じないほど本能が退化しているわけでもなかった。
　腰に片腕を回して抱き寄せ、もう片手は背中から首を支える。固定した彼女の体を更に自分へと抱き寄せて密着させる。冷えた柔らかい体を感じながら、僅かに開いた唇の間へ舌を伸ばし、ふっくらとした輪郭をなぞって口内へ。
　酔いしれてはいけないと僅かに開いた目はマリーシュカの様子を見つめている。少しでも苦しければ、嫌であればいつでも離れる必要がある。しかし、その純粋な気遣いでさえ、あの悪魔には笑われそうなほど穏やかに進む行為に飲まれていきそうで、最終的には細めた目は閉じられていた。