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＞レイ(>>16)

（彼は触れられる事のない拉致された事実を悟り切っているものなんだろうか。貴方が連れて来られた理由までは、どうにも自分から口火を切るのは心苦しく、ばつの悪そうな表情で尻尾を一度だけゆらりと振るに留めて。「おう、そうなのか。此れからも健康が保たれるようちゃんと見ててやるからな。」言い分を述べられ、穏やかに顔を綻ばせてはきちんと見守っている旨を告げて。擽るように尻尾を動かした事で、食事以外の仕事について彼が今何を考えているのか分からないが、きっともう食事の用意は出来ているだろう、そういえばと零す貴方にくす、と片方の眉を曲げて吐息だけで笑えば、貴方の脇に手を宛てがい、ひょいっと抱き抱えて「ほら、これはどうだ！」尻尾を見て考えていた事だとは分かる為、抱き上げた貴方の眼前に尻尾を持っていき、顔を埋めさせるよう優しく押し付けてみせて。「…さあ、続きは飯を食ってからだ」一頻り戯れれば尻尾を引き離し、片手で貴方を抱えたまま空いている手で扉を開ける。向かう先は食堂、優しいスープの香りが廊下まで漂っていた。）