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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.196 )
日時: 2025/05/16 12:35
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: iv8UKAb0)

>>195

>レナード

 こういう時どこまでプレゼンをするべきか。編集者となる人物であれば全部を詳らかにするが、相手は読者となり得る存在であることに戸惑っていた。後もう一歩は押すべきかと思案に暮れる手前で、存外にも気に入られていると分かる。
 面白いと、まるで当たり前のように言われることが嬉しくて気恥ずかしかった。ぱっと明るくなった表情は遅れて僅かに歪み、色白の頬に赤みがさす。こんなところで照れている場合ではないのだが。
「最大限、努力します……」
 絞り出した声は聞こえているのかもわからない。ただ、当然のように出かけようとするレナードに慌てて頷けば頭はすぐに切り替わる。腕を引っ張られてついていこうとすれば、光が見えた次には僅かな痛みは完全に失われている。
「あ、ありがとうございます!」
 対価を、その続きが出る前にレナードはおまけだと遮る。今までの彼の態度からはあまり想像できなかった台詞と仕草に驚きながらも、反射的に出た感謝の言葉をもう一度丁寧に告げるにとどまった。
「……怖くないと言えば嘘になりますね」
 当然の如く開け放たれた窓とレナードを見比べる。ここから落ちたら骨折で済むかどうか。打ちどころが悪ければ脆い人間はすぐに命を落としてしまうだろうが。
 今この場で彼の手を掴まないほうがあり得ない話だった。挑発的な笑みに応えるように、目を細めてその冷たい手を取った。
「あなたと一緒なら大丈夫でしょうから」
 一歩踏み出しそう告げる声は、初めて出会った時とは比べられないほど強く、しっかりとしたものだっただろう。