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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.213 )
日時: 2025/05/19 19:33
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)

>>212

>レナード

 レナードが慌てている様子は珍しい光景だった。そんなにも質問は突飛だっただろうかと不思議だったが、彼からの色よい返事に再び相好を崩す。
「本当ですか? それならば、余計にシリーズを長引かせるか……他に何か新しいものを考えなければならないですね。そのためにもここの蔵書も見てみないと。楽しみが増えて嬉しいです」
 新聞を手にする機会はレンブラントの前に儚く消えたが、また違うチャンスが転がり込んできたことに満足した様子だ。
 ウィリアムはそのままレナードに近づくと、彼の隣へ距離感を保って腰掛ける。
 夜の散歩も魅力的であったが、やはりこの屋敷においては他者との会話が一番の活力となる。勿論、屋敷の住人には危険な存在がいることも理解しつつ、こうやって言葉を交わせる彼のそばに腰掛けて風景を見るのも悪くないものだ。
「実は本を出版したかったんですよ。夢というか、それが責任だと思って……頑張っていたんですが、誰からも無理だとか面白くないだとか言われて、落ち込んでる間に、気づいたらここにいたんです」
 急に話出せば、きっと横にいる彼は面倒臭そうに眉を顰めているだろうとウィリアムは無垢に笑って見せる。
「そんな私の話をちゃんと読んで評価してくれたこと。とても嬉しかったんです。……ありがとうございます、レナードさん」
 改めて、ゆっくりと落ち着いた言葉で伝える。
 どこか聞けていた胸の内の穴が少し埋まったような気がした。