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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.217 )
日時: 2025/05/20 12:48
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: iv8UKAb0)

ありがとうございます!
ご提案通り、行き詰まって外に出る描写としました。レナードさんとのやり取りも続けている仮定ですが、変更箇所ある場合は合わせていこうと思います。
他住人の方々と話したことでこちらも最初に考えていたリアクションとはまた違うものになりそうでワクワクしております。

byパステル

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 整えられた部屋の中、机に向かう背中はいつもより小さくなっている気がした。
 数秒間隔で吐き出されるため息には焦ったさが滲み、とうとうウィリアムは万年筆をおいて立ち上がる。
 あれから、レナードは約束通りにこちらが続きを書けば屋敷を案内してくれた。不定期にやり取りされる手紙と原稿が何度か行き来した後、やはりというべきか、予想された通りに行き止まりがやってくる。
 大まかな話の筋は決まっているものの、枝分かれしていく細かな伏線や布石を打つ展開を考えるのは時間も思考も要する。机の周りには没にした物語のかけらが散乱しており、全てがシワだらけになって転がっている。
「……少し歩こう」
 誰に言い訳するわけでもなく呟けば、足は自然とこの部屋と廊下を繋ぐ扉に向かっていた。
 レンブラントやレナードの案内でいくつかの施設は把握できた。最近は近場だけではあるが廊下を歩いて気晴らしをすることも多くなり、その距離は徐々に伸びつつある。軽率な行動を知り合いの住人に見つかれば笑われるか怒られるかもしれないが、今はこれがささやかな楽しみにもなっていた。
 今日も少し先まで行ってみよう。部屋から右に出て、その先のドアを曲がり、さらに歩いて曲がって……地図が正確に頭の中にあるわけではない。今日のように、知った道であったはずなのに、まるで知らない雰囲気が不意にやってくることもある。
 螺旋階段が視界の隅に掠り、立ち止まる。これだけ大きなところだ、下や上に向かう階段があるのも不思議ではないが、ぐるぐると渦を巻くそれに興味はさらにそそられる。
 部屋から遠すぎる、何かあれば戻れない。冷静な自分はそう警告するが、今部屋に戻っても何も書けない、あの机で唸り続けるのならいっそ冒険してみるのも手だと、体は勝手に一歩踏み出していた。
 かつかつと革靴が階段の一つ一つを踏み締めて降りていく。よく耳を澄ませると、渦の向こう側、最下層からは誰かの鼻歌が聞こえていた。少々不気味に聞こえるのはこの場所のせいか。
 ここにも誰かがいる。そう思えば好奇心は膨れ上がり、先を急ぐように足音の感覚が狭く、早くなっていった。