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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.229 )
日時: 2025/05/21 23:05
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)

>>228

>ギレルモ

 笑ったかと思えば涙を流す様子に驚きながらも、同情が強く心を揺らす。
「な、泣かないでください。そりゃあできることならもっと差し出したいところですが……」
 ぽたりと落ちた血液、指先の皮を薄く切っただけの切り傷はすでに乾いてきている。これだけでも痛みを伴うというのに、これ以上の大きな傷をつけろと言うのだろうか。
 相手が知り合いであるヴァンパイアであるならば、迷いもなく腕でも首でも差し出せるのだろうが、今目の前にする彼に、この腕を引きちぎらないような自制心はあるのかどうか、判断はできない。笑ったり泣いたりを繰り返すその挙動にも一抹の不安を覚える。
「……本当に、空腹なんですね」
 しかし、最後に勝ったのは胸の奥に刺さって抜けない後悔や自責の念。病的な様子や痩せた体、隠すこともない飢えに焦りが芽生えた。
「飲めますか? まだその力が残っているなら大丈夫です、ほら」
 気づけば右手をそのまま檻の中に差し出していた。切った指先からはまだ鮮やかな色をした血液が丸い球体となって浮かび上がっている。
 腕を失うことになるだろうか、いや、命を失うだろうか。やり残した仕事が脳裏にちらつくが、それ以上に今ここで、自身の痛みのために彼へ手を伸ばすことをやめられない。