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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.251 )
日時: 2025/06/04 18:57
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)

>>249

>レナード イベント

 息が止まるようだった。心臓が急激に脈打って、血を失った体がぐらりと揺れた。
 そこにいるのがレナードであることは分かった。しかし、彼の下で今まさに命を絶たれたそれが人間であるとは理解したくなった。彼らの『食事』がどのようなものなのか、知識として知ってはいたが、本当の意味で理解することは本能が阻んでいることだった。
「すみません……声を、かけたんですが……」
 目の前が回る。ショックが目眩を悪化させ、思わず扉に手をついた。体が重い、それでいて思考はぐるぐると加速し続けてまとまらない。
「食事中だとは知らなくて、でも……失礼、でしたね」
 裂けた皮膚の間から血が垂れ流れ続ける感覚。数滴ぽたりぽたりと足元に赤い点が描かれる。どこか遠い出来事のように床を見つめ、慌てて被りを振った。
「出て行きます、すぐに」
 ここから立ち去らなければならない。ここがどこかもわからないが、とにかくここにはいられない。まともに上がらない脚を叱咤しながら踵を返す。
 思考の端には垂れた青白い肌がこびりついている。ここに来た自分にとって、一番最後に待ち受けている未来を叩きつけられたのだ。
 ――今見るべきじゃなかった。
 とにかく最悪の気分だったが、立ち続けなければ、歩き続けなければ今晩にでも自分は同じ道を、それ以上に無惨な最後を遂げることになる。それだけは避けたいことだった。