大人なりきり掲示板
- Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.257 )
- 日時: 2025/06/14 12:49
- 名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)
>>255
>レナード イベント
呆れと皮肉の強い言葉だ。このような無様な姿を見せてしまえば言い返すこともできず、ただ己の短絡的な行動に失笑して頷くことしかできない。
「話を聞く限りは、そのようでしたね……でもそれは、空腹だからという理由でしょう」
誰であっても自分の血となり肉となる食物というものは選りすぐりたいものではある。しかし、それは余裕がある時の話。空腹で今にも倒れそうな時ならば床に転がった腐ったりんごでも必死に手を伸ばして飲み下すのが生存本能ではないだろうか。
飢えているにも関わらず手を伸ばすことすらできなかった痩せた友人の最期が脳裏にちらつく。きっとあの飢えたヴァンパイアを見捨てることができなかったのは、過去を捨てられない自分への許しを乞う行為でもあったからだろう。
「誰でも腹が減っていればなんでも口に入れたくなります……少し、空腹が満たされたら、話もできたし……私は帰ることもできました」
それが怪物の気まぐれであれ、次を期待する打算的な考えからであれ、ウィリアムには関係ない。対話し、約束をしたという事実が何よりも大切なものに感じた。
気づけば見慣れた部屋にたどり着いており、地面に体が降ろされる感覚にほっと息を吐く。立ち上がればぐらりと視界が歪むが、あてどなく歩くこともなくなった今では特に関係もない。壁に手をつき、今すぐにでも帰ってしまいそうなレナードへ礼を述べる。
「……あの方は」
聞くことすら憚られることだったが、聞かずにはいられなかった。
恐らく、この屋敷で唯一見た人間。今まで存在すら知らなかったのはこの難解な屋敷の形にも理由があるのだろうが、それでもこの異界とも呼べる場所に置いて同族が存在していたことを今まで知らなかったのは悔やまれることだ。
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