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Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.263 )
日時: 2025/06/17 19:22
名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)

>>262

>レナード イベント

 誰かは成し遂げたということ、しかし、全員ではないということだ。
 せめてあの時ベッドに横になっていた誰かの最期が、寂しいものではないことを願うしかない。弱りきって闇に消えて行く意識の中で感じたものが幸せなものであるように祈るしかない。
「……さっきから、散々ないいようですね」
 いつもなら勢いよく食ってかかるが、今はその元気もない。表情を取り繕うことも、言い返すこともできない。
 なによりも誰かの最期を自分が台無しにしてしまったのではないか、報われなかったのではないかという恐怖が心臓に張り付いていた。
 抵抗する暇もなく引き剥がされた手のひらを呆然と眺め、はっと目を合わせるとレナードがすぐそばにいたことを思い出した。
「食事を邪魔されたのに、ですか? ……随分と嬉しそうですね」
 出てくる言葉に未だ力はない。それが貧血のためか、先ほどから頭の中に巡る名前も知らない隣人への後悔か、判断することも憚られる。
「すぐには寝付けませんよ。あなたのいうように、私は……未熟ですからね。失うことに慣れていない……思い出したくなかった」
 ぽつりと溢したのは今まで誰にも見せようとはしなかった弱音だった。はたと口を塞いでも遅く、眉根を寄せるという、不機嫌さを表す表情を珍しく浮かべてみせる。
「まずは手を離してください……血は止まったとはいえ、痛むんです」