大人なりきり掲示板
- Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.40 )
- 日時: 2025/04/07 22:40
- 名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)
>>39
>レナード
獲物。
そんな不思議な単語で今まで現状把握に忙しくしていた思考が一気に目の前の人物に集中した。
人形のような色の肌と同じように、体温を感じない掌。
そして耳元で囁かれた言葉に初めて合点がいく。
まさに、自分の目の前にいるこの人物こそ、この屋敷に住むという怪物であると。
――だったら最初に言ってくれよっ……!
よく見たら口元に牙が見えるとか、肌や目の色が不自然だとか、今考えると自身の注意散漫力に呆れ果てるが、この人に類似した化け物を見抜くなんてことは、点が三つ集まれば人の顔に見えるような脳で支配された一般庶民には初見殺しの無理難題である。
何よりも心細かった時にやってきた、少々傲慢な態度をとりながらも対話できそうな人型の生物に信頼を寄せるくらいは許されたいところだ。
ぞわりと悪寒が背筋を走り、肌が粟立った。理解できていませんでしたと泣きながら謝罪したいと膝が笑い始める。
しかし、両親や兄弟から呆れられるほどにウィリアムは頑固であり、己を偽るのも上手かった。
「……もし、そうであったとしても。今ここで友人であるあなたを無碍にする理由にはなりません」
顔色は青く、今にでも逃げ出しておかしくはないような表情をしながら、その声はしっかりと落ち着きを演じ、握手を雑に解くようなことはしない。今深呼吸すれば微かに香る血のにおいをさらに吸い込むことになるだろうと、喉は引きつったままだったが。
「しかし、レナードさん。とても突飛なことで私も驚いております……ので、考える時間を、ください。一晩ほど……ええっと、今、時間も分かりませんが」
とにかく今は安全を確保してこれからのことを考えたかった。震える唇を叱咤して何とか笑みを浮かべつつ、どうにかなれの勢いで言葉を並べる。
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