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>>51

レンブラント

「あ、そう、なんですね……やっぱり」
　突然現れたサイコロや座った相手を驚いて眺めつつ、やはりヴァンパイアの類ではないことに納得する。それならば彼は何を食べるのだろうか。
「血液ではないのなら……魂、とか、ですか？　はは、今時魂の重ささえ議論にはなりませんがね……」
　21グラムと言われた人間の魂を“味見”されるのはどんな心地なのだろうか、そう思えば急に危機感がじんわりと身に染みてくる。自分はとんでもないことを口走ってしまったのではないか。慌てて座り直してじっくりとサイコロを見つめ、慌てないようにと娯楽品を思い浮かべるが、元来物欲はないに等しいものだったために喉から手が出るほど欲しいものはなかなか見つからない。
「娯楽品、欲しいものは新聞くらいかな……あ、無理であれば他のものを考えます」
　ここは人の世界ではない。そう言われて全て信じたわけではないが、明らかに見た目も人とは違う異形を目の前にし、新聞を持ってきてほしいと言う平凡な自分のお願いが場違いなようにも思えてしまった。慌ててかぶりを振りつつ、とにかく今は味見を回避しようと数値の予想に集中する。
　……とはいえ、全て運である。悩んだところで仕方がない。
「先ほどは4でしたので……6などでしょうか？」
　レンブラントとは相反する、焦りを隠せないいびつな笑みを見せつつ呟いた。

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ありがとうございます！　とりあえずは思いつくまで本編を進めさせていただきますね。
byパステル