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- Re: 【 指名制 / 3L 】耽溺のグランギニョル【 人外提供 】 ( No.74 )
- 日時: 2025/04/22 20:26
- 名前: ウィリアム・ロックウッド (ID: hoeZ6M68)
>>69
>レンブラント
さて、やることのなくなったウィリアムにとって、豪華ではあるが見慣れた部屋の中だけでできることと言ったら、なんの変哲もない紙を前に唸ることだけだった。
小説家だと名乗るのも烏滸がましいほど、彼にとって何かを創り出すのは至難の業である。かつて一人の人間の命を繋ぐために必死に吐く嘘はすらすらと流れ出てきたと言うのに、今ではたった一文字を書き上げることすら困難だ。
深々と肺の奥から吐き出されるようなため息ののち、ふと目線を上げればつい先日、恐怖と痛みと困惑の中見つめた色があった――窓から現れた顔に思わずぎょっとして立ち上がるが、今度は喉から情けない声が漏れることはなかった。
まさかあの手紙を読んできたのか、淡い期待を抱きつつ、この悪魔のことだからまた人を揶揄いにきたことも考慮しながら、部屋の中へ招くために窓を開けた。
「……一度でいいのでドアをノックしていらしてください、心臓に悪いので」
未だ落ち着かない心拍に脈打つ胸をおさえ、深く呼吸する。開いた窓を閉めて、レンブラントの言葉に幾分か迷う様子で頷いた。
「名前を知っているのはあなたとレナードさんだけですし、私も勝算のないことはしたくありませんからね」
レナードのほうが丁寧に案内をしてくれそうだとも思ったが、彼の尊大な自尊心を偶然にも傷つけるようなことがあればそれこそ命取りになりかねない。レンブラントは危害こそ加えるものの、致命傷を与えるまでには気分一つでは発展しない……はずだと信じている。
「ええっと、では……あの手紙を見てきてくださったんですか? それなら有難い、ここは素敵な場所ですが、少々狭すぎるものでして。あなたの都合がよろしければ、この屋敷の中を紹介していただきたいんです」
依頼内容はこの屋敷の案内だ。それを見てきてくれているのであればそれも承知だろう。わずかに希望を見出したウィリアムは声色を抑えつつ、あくまでも礼儀を持って訪ねる。