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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.102 )
日時: 2025/11/18 18:05
名前: ざざ (ID: 0jBqS0Km)


 並んで歩む足取りは、つい先ほどまであれほど軽かったのに。


――母上の、ドレス。

小さく息を呑んだ瞬間、世界の色がわずかに変わった気がした。
昨夜のドレスのこと。
あの部屋に入ったとき、胸の奥に生まれた奇妙なざわめき。

どうして気づかなかったのだろう。
どうして、あの違和感を無視したのだろう。
なぜあんなにも簡単に流してしまったのか。

知らなかったとはいえ、
それでも王妃のドレスを身にまとうなんて。

不敬どころの話ではない。

「……っ」

気づけば、そっと添えていたジーク様の腕から手を離していた。
離れた手のひらが、急に冷たくなる。


胸の奥で煮えたような羞恥と恐れをごまかすことなく。

「申し訳ございません」

深く、深く頭を垂れた。

「知らなかったとはいえ……昨夜お借りしたドレスは、きっと王妃様のもの。
そのような大切なものを、わたくしなどが身に纏うなど
……どんな罰でも、お受けいたしますわ」

声は震えなかった。
震えさせてはならないと思ったから。


今はただ、申し訳なさと恐れで覆い尽くされてしまって
 
頭を下げたまま、わずかに強く唇を噛んだ。


ーー
キリ番!!嬉しいー!!!
あっという間に100なんですね…。
これからもよろしくお願いします!!