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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.41 )
日時: 2025/11/11 08:34
名前: ざざ (ID: 6quPP6JX)



 「今夜は、とても幸せな気分です」
 そう告げられた瞬間、胸の奥がふわりと温かくなる。
それが社交の言葉――世辞の一つであることは理解している。
けれど、それでも嬉しくて、思わず「ふふっ」と小さな笑みが零れた。

 緊張のあまり、指先が受話器の電線を無意識に弄んでしまう。
茶葉の感想を聞けて、私は声を少し弾ませた。

 「それを聞けて安心いたしましたわ……!
あの……もしご迷惑でなければ、追加の茶葉をお持ちしてもよろしいでしょうか?
明日でしたら外出を許されておりますので……メイドの方か、どなたかにお渡しすれば、皇子のもとへ届きますか?」

 もともと明日は、いつものように庭へ散歩に出るつもりだった。
茶葉をお渡しするくらい、ほんの些細なことだと自分に言い聞かせながら
忙しい皇子に直接お目通りなど叶うはずもないと十分に理解している

 受話器の向こうから先ほど聞こえた布の擦れる音
きっと次の予定へ向かう支度の時間なのだろうと感じて、胸の奥に焦りが走る。

そろそろ、この電話を切らなければ。