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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.47 )
日時: 2025/11/11 20:36
名前: ざざ (ID: gTez.RDd)

 

「わたくしが善人であれば
ジーク様はきっと、この国の守護神でいらっしゃいますわね」

微笑みを浮かべ、声は柔らかく震える。
冗談めいた言葉の奥に、静かで確かな敬愛を込めている。



ふと耳に届く彼の声音には、わずかにぼんやりとそれでいて熱がこもっていて、思わず微笑んだ。

 (眠いのかしら……今日はどうか、良い眠りに包まれますように)

皇子の思いとは違う想像をしてしまうのは、異性との交流経験が少ないせいかもしれない。



 「明日ですが……ジーク様のご都合はいかがでしょうか?
わたくしはいつでも動けますわ」

どうぞこちらをお気になさらず、皇子のご都合を優先して
心の中でそっとそう願いながら、清らかな声音を保つ。


そして指先で受話器をそっと押さえ、微笑みを崩さずに続ける。

 「もし……本当に攫いに来てくださったら、
きっとわたくし、何も言えずに微笑むことしかできません」

ふわりと誤魔化すような声音の奥で、祈るような想いが静かに芽生える。

この自由のない日々から、皇子が救い出してくださるのだろうか
そんな淡い期待は溢れ出さぬよう、心の奥底にそっと閉じ込めた。