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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.49 )
日時: 2025/11/11 22:15
名前: ざざ (ID: Xj/tkMJo)



 「では明日は、わたくしがジーク様の専属騎士ですわ」

 電話の向こうから聞こえた笑い声に、胸の奥がふわりとほどける。
思わず冗談めかしてそう口にしたものの、護身術など嗜んだことのない身で、本当に誰かを守れるはずもない。
 それでも…ジーク様が笑ってくださるなら。
その笑みを思い浮かべるだけで、頬が自然と熱を帯びた。



 受話器の向こうで、皇子が明日の予定を思い返しているのだろうか。
小さく何かを弾くような音が微かに響く
彼の思考の邪魔しないよう、そっと息をひそめ


 やがて「日中かディナーか」と問われれば、予定の詰まった昼間に無理をさせるわけにはいかない。
だからこそ、少しだけ弾んだ声で、けれど控えめに告げる。

「でしたら……ディナーを。
もしよろしければ、…ご迷惑でなければ、夜来香の花まで、今度こそエスコートしてくださいますか?」

そう言葉を紡いだ瞬間、胸の奥に小さな光が灯る。
電話越しの短い会話の中にも、彼に会える約束があるというだけで、
夜の静けさが少しだけやさしく感じられた。