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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.61 )
日時: 2025/11/13 10:35
名前: ざざ (ID: XBWZ.1Hx)



背後からふいに名を呼ぶ声がして、思わず肩が跳ねた。
声を出さなかったのは褒められるべきだろう。
静まり返った庭園の空気がわずかに震え、胸の鼓動が速まる。

振り返れば、いつの間にかそこに立っていたのは――第二皇子殿下、ロメロ殿下。


 「……第二皇子殿下」


驚きと戸惑いを押し隠し、そっと裾を摘んで一歩下がる。

自然と身体が距離を取っていた。

そして礼を尽くすように、スカートの裾を摘みゆるやかに膝を曲げて頭を垂れる。



「ご機嫌麗しゅうございます。
ご心配をおかけしてしまい、申し訳ございません。
少し、空の色の移ろいを眺めておりましたの」


ゆっくりと顔を上げながら、殿下の言葉を思い返す。



 「……逢魔が時、ですか」


微かに笑みを浮かべ、その言葉をそっと口の中で転がす。

ロメロ殿下の纏う気配は、冗談めいていながらも掴みどころがなく
夜気のように静かに、しかし確かに身の回りへと流れ込んでくる。


「お気遣いに感謝いたします。けれど……大丈夫ですわ。

悪魔に攫われるだなんて、殿下の冗談は少し過ぎますもの」


そう言って柔らかく微笑む。
けれど、その裏で胸の奥が静かに波立つ。
女性の背後に、音もなく立てるお方

心が小さく囁いた。警戒せよと。


ーーー

ロメロ様との出会いすごく嬉しいです!!
ちょっと警戒させてしまいましたが…
引き続きよろしくお願いします!