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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.77 )
日時: 2025/11/15 18:07
名前: ざざ (ID: .5n9hJ8s)



 視界の先にジーク様の姿を認めた瞬間、
心臓から全身へと熱が巡っていくのがはっきりと分かった。
誰かと会えることを、こんなにも嬉しいと感じたのは初めてだった。

絹のように滑らかな黒髪。
柔らかな桃色の瞳。
その下に刻まれた夜の跡まで――あの日と変わらないまま。

「お待たせ致しました、姫。」

恭しく頭を下げるその所作が、
以前よりわずかに丁寧に見えたのは、私の気のせいだろうか。

 私は裾を軽く摘み、深く会釈を返した。

「……お待ちしておりました、ジーク様」

 電話越しの声よりもずっと澄んでいて、
耳に触れたその響きが心地よく胸の奥まで染みていく。

「いつも美しいですが、一等美しいですね。」

 美辞麗句を言い慣れているはずの皇子にそう告げられると、
どれほど平静を装っても胸が静まらない。
ドレスには触れず、ただ“私”そのものを褒めてくださったことが、
かえって心を揺らした。

「……ありがとうございます。
 ジーク様にそう仰っていただけるなど、光栄に存じますわ」

穏やかな笑みを浮かべながら、
裾が乱れぬよう慎ましく姿勢を整える。

差し出された腕に気づいたとき、一瞬だけ迷いが過った。
けれど、その迷いをそっと胸の内に押し込み、指先を添えて腕を組む。

最後に会った時よりも
ほんの少しだけ距離を感じてしまうのは、それも私の気のせいだろうか。

「……はい」

歩き出す彼の歩幅に合わせて進み、
王宮の一室へ案内されるままに腰を下ろす。

けれど、座ってからも胸の奥でざわめいたものは、
最後まで静まってはくれなかった。

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ジーク様ももうとても素敵なので…!!リンデンに頑張らせますね!!
あ!!大切なお母様のドレス着せて良いの!!??と迷っていたのですが…、複雑ですよね…ごめんなさいジーク様…!!
どきどきディナー楽しませていただきます、引き続きよろしくお願いします!