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Re: 愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた_指名式、BNL ( No.89 )
日時: 2025/11/16 15:59
名前: ざざ (ID: SGJxjeZv)



 紅茶を飲むつもりだったはずの彼が、

そっと前のめりになり、

私のフォークへ唇を寄せる。

その一動作のどれひとつを取っても、
まっすぐで、優雅で、そして……少しだけ反則めいていて。

じっくりと味わうように咀嚼するその様子を見ていると、
こちらまで息を詰めてしまいそうになる。


そして、弾けるような笑み。


ほんの一口、差し出しただけなのに、
どうしてこんなにも心が温かくなるのだろう。
こんなにも、彼の笑顔が綺麗に見えてしまうのだろう。

「そう言って頂けるのはとても嬉しいですわ」

ジーク様の笑みに釣られて私も微笑む
続きを食べれるようにフォークを彼に向くように静かに置き

自分のを取り直してタルトの一欠片を口へと運んだ

「…とても甘くて……美味しい……!」

瞬間、頬がふわりと綻ぶ。
舌の上でほどける甘さと、瑞々しい果実の香り。
ナパージュに閉じ込められた光のような艶やかさが
そのまま味わいになって広がっていく。
初めて食べるタルトをこんなに気に入ってしまうなんて

(こんなに美味しいものがあるなんて……)


思わず瞳がきらきらと輝くのが自分でも分かった。

隠そうとしても隠しきれない、純粋な驚きと喜びが溢れ出した。