太陽の光が部屋いっぱいに広がり、
開け放った窓から入る風が、薄いカーテンをそっと揺らす。
昨夜、この客室へ案内されたあと
夢のような出来事に見慣れない豪華な部屋で
胸がどくどくと高鳴ってしまい、なかなか眠れなかった。
けれど不思議と身体は重くなく、
むしろ心の奥では柔らかな温もりがずっと灯っていた。
(今日も……お会いできるのですよね)
胸元に手を添えて息を整えたそのとき。
「リンデン姫。私です。
貴女をお迎えに上がりました」
扉越しに響いたその声だけで、
胸の奥がきゅっと跳ね上がる。
一言めの響きだけで、誰なのか分かってしまった自分が恥ずかしい。
でも同時に、どうしようもなく嬉しくもあった。
「……はい。すぐに参ります」
返事をした途端、足取りは自然と早まり、
扉をそっと開けると
「ジーク…様?」
そこに立つ彼は、変わらぬ穏やかな微笑みを浮かべていた。
けれどその目元には、昨夜よりも深い影が落ちている。
問いかける前に、彼は先に口を開いた。
「約束、覚えていますか。」
その声音にふわりと胸が熱を帯びる。
「……忘れるはずがありませんわ。
今日もご一緒できるのを、心待ちにしておりましたの」
そっとドレスの裾を摘み、優雅に膝を折って挨拶をする
再び顔を上げて彼を見つめ
近くで見れば見るほど、隠そうとしても隠せないほどの隈。
「……あの、おやすみになれなかったのですか?」
聞かずにはいられなかった問いだった。
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そう言ってもらえてとても安心しております…!!!
楽しませてもらうばかりではないかとちょっと心配だったので…。
リンデン的には皇子だし…きっと懇意にされてる方なんて2人や3人…なんて考えてそうではありますね
私もドレスや電話口の声がどう作用するのかとても楽しみです!
許可いただきありがとうございます。
新しい使用人の方達も気になっております…!!
和やかなアフタヌーンティーよろしくお願いします!