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〜２３話〜

隆史　「そのかわりに敬語で話すのやめてくれない？」

結衣　「へっ？ そんなことでいいんですか？」

隆史　「うん。そんなことって言うならもうひとつ。俺のこと、隆史って呼んでよ。」

結衣　「分かった♪」

今日も隆史くん、じゃなくて隆史は、優しかった。

・・・なんでかな？

隆史　「はい、これ。ハッピーバースディ♪」

結衣　「な、なんで知ってるの！？」

隆史に誕生日なんて教えてない。

それなのに・・・

隆史　「俺、気になる女の子のことは、何でも知ってるんだ。それより、開けてみてよ♪」

・・・中を見て唖然とした。雅城があたしにくれようとしたものと同じだった。

隆史　「・・・気に入らなかった？」

結衣　「そんなことないよ。すっごく嬉しい！ ありがとう。」

結局、複雑な想いを抱いたまま受け取ってしまった。

隆史　「良かったー」

初めて会ったときは、はっきり言って気持ち悪かった。

平気で人のこと蹴ったり、殴ったり・・・

そんなことしなければすっごくいい人。

でも、今、心の中を見透かされているような気がした。



翌日・・・

朝、玄関を出ると丁度、雅城と会ってしまった。

雅城　「おはよ。」

結衣　「・・・おはよ。」

無視するわけにもいかず、挨拶を返した。

隆史　「結衣♪ 待ってたよ。」

結衣　「隆史！？」

隆史の家は、確か反対方向だったような・・・

わざわざ来てくれたんだよね？

雅城　「もう彼氏できたんだ。」

彼氏・・・

隆史は、ただの友達・・・

隆史　「そうだよ。さ、早く行こうか。」

結衣　「・・・彼氏じゃない。」

雅城　「やっぱり俺と行きたいとか？」

結衣　「あたし、今日は１人で行く。２人とも、ごめんね。」