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〜２９話〜

結衣　「あーっ、やっぱり彼氏じゃなくてもいいから、前みたいに話せるようになりたい。」

雅城　「俺のこと、嫌いじゃないの？」

結衣　「嫌いじゃないよ。」

雅城　「・・・ほんとに？」

結衣　「うん。」

嫌いじゃない。好き・・・

彼氏だった雅城のことを疑ってしまい、傷つけてしまった。

・・・

雅城　「隆史は？　もう隆史のことはいいの？」

結衣　「うん。」

雅城　「そっか・・・じゃあ、またな。」

結衣　「バイバイ・・・」

雅城は、それ以上聞いて来なかった。



翌日・・・

昨日、結衣がもう一度やり直したいと言った。

本当に隆史じゃなくていいのか？　俺なんかでいいのか？

自分の席で頭を抱えていると・・・

紀乃　「おはよー！ どうしたの？？」

雅城　「佐々木紀乃か。おはよ。」

最近、佐々木紀乃と話す回数が増えた気がする。

紀乃　「フルネーム？　そろそろ名前で呼んでくれても良くない？　それに、佐々木紀乃か・・・って。」

雅城　「あー、悪かったな。紀乃。」

紀乃　「うーん・・・なんか微妙。」

言わせておいて、微妙って失礼なヤツ・・・

雅城　「あっそ。」

紀乃　「さ、冷めてるね。それじゃ、モテないよ！」

雅城　「別にモテなくてもいいし。」

こいつ、最近おかしい。

前まで隆史にベッタリだったのに、今やその面影さえない。

紀乃　「ごめん。怒っちゃった？」

雅城　「別に怒ってねぇーよ。」

自分の周りがいつもと違う。

なにか落ち着かない・・・