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『第二十九話』______

電卓を叩くてをいったん止めて時計をみると5時を過ぎたとこだった。

｢さぁってそろそろ―――！？｣

喋ったとたんに後ろから口を塞がれてしまった。

そのまま椅子から落とされ床に顔を叩きつけられた。

鼻がジンジンするが鼻血はでていないようだった。

｢譲ちゃんジッとしてろよ？俺達も乱暴はしたくないんでね。｣

私は男の声が聞こえた瞬間に思ってしまった。

“犯されてしまう!”

怖かった。それを思うと同時になんて自分は情けないとも思った。

学校に来たときに誓ったのに。諦めないって誓ったのに。

私はこの瞬間、『諦めて』しまった。

体をひっくり返され男と目があう。怖い。

また、この感情が高ぶった。

私は少しでも抵抗しようと足をジタバタさせた。でも、やはり効果はない。

椅子に足が当たって派手に倒れる。ものすごい音が響いた。

｢くっそ、鬱陶しいやつめ。さっさとヤッちまおうぜ。｣

男の手が私のシャツに伸びる。男がシャツを引っ張ったせいでボタンがとびちった。

色白い肌がむき出しになった。

そのときだった。

｢おうおう、オメーら楽しいか？女の子『いじめ』て？｣

声がしたほうを必死になって振り返ると背の高い男の人が立っていた。

｢レディが相手なら優しく接しろよ。外道どもが。｣

『第二十九話』______