大人オリジナル小説
- ガラス、みっけ! だめだよ捨てなさい! えーまあいいや、 ( No.104 )
- 日時: 2010/06/02 21:13
- 名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc
上手く切れないからね,ガラスの破片って! 汚いし(これ重要)
跡
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手の甲に真っすぐ飛行機雲みたいな赤い傷。紛れもなく私が付けた傷。
相手に毒をぶつけるのはあまりにも皮肉。流石に毒女もそれを察して,控える。
だけども,控えたら毒を吐けないから,誰にも迷惑をかけない自分に傷をつける。
誰もそれに気付かない。そう,それでいい。誰もが「怪我」「猫の引っかき傷」と思ってくれる。それでいい。
手首にも太股にもあるその傷。キスしたいほどに愛してる。
まるで一人の自分。自分の子。自分の親友。大好きな人。それらと同等の愛をそそいでいる。その赤い傷に。
撫でると安心する。狂ってるかもしれない。
だけど良い。壊れてても良い。それが私だから。
「傷を増やさないで心が壊れるよりは,傷を増やして壊れない方が良いでしょ。大丈夫,あたしには物書きという趣味があるからさ」
自分を心配してくれる子に贈った言葉。彼女はやっぱり不安そうにしたけど,信じてくれたように頷いてくれた。
嬉しかった。
*
私の心はガラスじゃなくてゴムなんじゃないかなって思う。
ゴムは傷つきやすくて,でも修正できる。伸ばしてまた形を作れば元に戻るし,伸びやすい。柔軟。そして,すぐ傷つく。最初は固まってるくせに,段々伸びて切れるんだ。
我ながら馬鹿みたい。
同じ事考えてる人,何人いるだろうな,なんてくだらない事を思考しながら私は彼女の隣を無言で歩く。
一緒に下校してくれてありがとう。ストレス発散に付き合ってくれてありがとうね。
+
今日の私。
全部というか放課後だけれど。
陸上の練習終わった後に二人で帰る。
話題が無い時は,無言でゆっくり歩く。
考える時間をお互いに求めてるから。
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