大人オリジナル小説

何で独りになりたがるの、(あなたは愛されてるじゃない) ( No.153 )
日時: 2010/08/03 16:17
名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

痛いよ,痛い。とっても痛い。
だけどこれくらいの痛みなら,まだ,大丈夫だから。
何も心配しなくていいよ,わたしの痛みなんて,
あなたが知る必要ないんだから。


+

 クラスに似合わない。
 役に立てない,足手まとい。
 痛い痛い,叫ぶ。
 存在できない。
 傷つけられる。
 傷つけられる為にいる。
 それでしか存在できない。
 存在していない。
 生きていない。
 じゃあなんでうまれたの。
 わからない,むずかしすぎてわかんない。
 死んでないし生きてもない。
 じゃああなたはなにものなの。
 わからない,ふくざつすぎてわかんない。



「ねえ,わたし,どうすれば生きられるの?」


 わたしはあの子に訊く。誰からも愛されて,誰の役にも立てて,ちゃんと存在しているあの子に。


「……ごめんなさい,私には分からない。皮肉,だけど……」


 せめて,こうしてあげる,と。
 あの子はわたしを強く抱きしめた。



「あなたが何か深い闇を抱えてるのはわかるけど,私は助けられないから,せめてもの,気持ち」


+


愛したのになんで愛されないの。
大事にしてるのになんで大事にされないの。
頑張ってるのになんで頑張ってくれないの。
ああそうか、簡単な話。
わたしは必要じゃない人間だからか。


+


こんな話,まだ私には早かったかも,しれない。