大人オリジナル小説

ストレスの限界よ ( No.164 )
日時: 2010/08/25 21:59
名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

 仕方ないじゃない,安定剤代わりなんだもの。
 そういって,私はカッターナイフを手首に押し当て手前に引く。

 彼は痛そうに,顔を歪めすぐに視線をそらした。その瞳が欲しくなって,抉ってしまおうかとも思ったけれど,そうしたらその可愛い表情も見納めになってしまうからやめた。
 泣いてしまったら,皆にばれてしまうから,私は切る。


 流れ出す血。それをかきむしったら,言い知れぬ快感が私を襲った。
 すっとする。すかっとする。気持ちいい。自分の悪いものが全部全部外に出る見たい。


 指先を真っ赤にさせた血液を,舌先で舐めとると不思議な事に甘かった。



+


リストカッターが好きなのは自分じゃない,自分の血液だ。
勿論,自分も好きだけれど,…嫌いなの。