大人オリジナル小説
- 照らす太陽,照らされる月。其れに慰められる人。 ( No.172 )
- 日時: 2010/08/30 23:19
- 名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc
太陽を見つめるのは嫌いだ。
自分の中の光全部,太陽に吸い取られるみたいで。
その証拠に,失明してしまう人だっているじゃないか。
月は,日に日に欠けたり満ち足りするけれど,憂いを帯びた光は遠慮がちで好き。
星も月に慰められているのだろう。
そんな事を言ったら,嘲笑われた。
+
月の下の線香花火。
ちりちりと小さく燃えて,ぽたりと落ちた。
線香花火のように死にたいと,何度思ったことだろうか。
それができないから,僕は地に落ちるべきそれを,手のひらで受け止めた。
鈍い痛みと,変色した肌が,僕に生きてる実感を持たせてくれた。
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