大人オリジナル小説

Re: リストカット中毒【「虐め」の話の重さ】 ( No.196 )
日時: 2010/11/26 20:47
名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

 来ないな。
 私は壁に取り付けてある時計に目を遣り,溜息を吐く。ああ,また幸せが逃げて行ってしまうじゃない,と思っても,やっぱりとまらない。
 二時間,経った。あと一時間待って,来なかったら帰ってしまおう――そう決めて,私は目の前の宿題に立ち向かった。


 約束は,十時十五分。今は,十二時十五分。二人で遊ぶ約束で,友達はまだ来ない。
 彼女は,事前に遊べなくなる事を連絡するような子でない。

 ――その日は結局来なくて,次の日に「ごめんね,忘れてた」で済まされて若干泣きそうになった
 理由は寝坊。ロードショーを見ていた為に,寝坊。二時に思い出したらしい。


 私は涙をこらえるのに必死だった。
 そう,私は「あ,忘れてた,でもまあ良いか」くらいの存在価値なのね,と。
 トイレに籠ってリスカして血だらだらの状態で教室に入ってその血その子の服になすりつけてやろうかと思った。


 ……私達の仲が三度歪んでも,引き摺ってる私が,悪いから,その子を責める気なんてさらさらないけれども。



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悲しかな,実話。
ふふすっぽかされたのですよ奥さん。視界が歪むわ。