大人オリジナル小説
- ぐちゃぐちゃの中で、生きてる、 ( No.247 )
- 日時: 2011/05/17 19:54
- 名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc
例えば,例えばだよ。
「あたし」は空を見上げ,口を開いた。物静かな声音だった。
「変人,で通ってるあたしが,「何言っても彼女は傷つかない」と思われてたとして,好き放題言われたら。ねえ,貴女はどう思うのかしら? 「わたし」は」
たまに顔を出す,素の姿。それを見せた「あたし」は,幼さをどこかへ置いてきてしまったようだった。
「わたし」は少しだけ悲しくなって,俯いた。凛とたたずむ「あたし」や,飄々とした「ぼく」とは大違い。同一人物なのに。「あたし」は,「わたし」の考えを読みとったみたいに,からりと笑った。
「わ,たしは」
「うん」
「悲しい,よ。すごく」
「うん」
「だって,だって「あたし」が好き放題言われて,傷つくのは」
「うん」
「わたしたちが,「わたし」たちを,否定されてるのとおんなじで」
「…うん」
「それは」
「うん」
「とっても,悲しくて悔しいことで」
もう良いよ。
「あたし」は,「わたし」の口に手をあてて,嬉しそうに,でもかなしそうな,泣きそうな顔で,笑った。
なんでそんなに笑ってられるの。なんでそんなに嘘を重ねていけるの。
混沌としたあなたの脳内で,わたしたちは。
+
きずつけられても良いから、否定だけはしないでほしいの。
「意味不明」とか、「わけわからん」とかさ。
あたしの絵見てそう思うのは構わんけど、「このくらい言っても大丈夫」とか。
思っても良いけど、さ。
なんか、やさしいとかえらいとかそれ以前に人間視されてない気がしてきたの。
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