大人オリジナル小説

無理なんて、してませんよ(多分、何て言ったら、あなたは) ( No.269 )
日時: 2011/07/18 20:30
名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

 てのひらから,こぼれていくんです。
 ほろほろ,さらさら。
 今までの私がとてもとても愛したものたちが,白い砂となって,輝きながら風に攫われていくんです。
 その中で残った親友。私は彼女をとても愛しているけれど,彼女はどうだかわかりません。
 その中で真っ先に散った恋心。淡い桃色の光でした。やさしいやさしい恋でした。
 その中でゆっくりと,重みをもってる人への愛。彼等は変わってしまって,私の想いも形を変えて行くのです。
 その中でひらひらと,舞う様に散って行く「考え」。受け入れる余裕もなくなってしまって,私自身,散って行くような。
 てのひらから,こぼれていくんです。
 今までの私が,「私」を生かした,理由たちが。今までの私が,「私」を生きさせてくれた,楽しみたちが。
 小説もろくに書けなくなりました。
 絵も難儀な絵ばかりです。
 勉強は順位が下がりました。
 人づきあいに悩む毎日です。
 学校がきらいになりました。
 友人を愛せなくなりました。
 それでもしぶとく生きてます。
 でも,ちっとも楽しくないのは何故でしょうか。
 それは簡単。
 やっぱり,愛したものが散って行ってしまったからです。
 ぐちゃぐちゃな文章は,私の整理のつかない胸の内を表しているのでしょうか。
 指が,おどる。