大人オリジナル小説
- 知ってほしい,これで苦しんでる子も居るんだって事。 ( No.53 )
- 日時: 2010/04/18 22:37
- 名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc
今の話の流れじゃ絶対に書けないお話。
…というか,リストカットする原因の一部にもなりかねないという話なんですけど。
……実を言うと,この話の原因で,私はリストカットをしました。自分がこのクラスの輪に入るべきではないと感じて,辛かったから。
…慰めてくれる友達の言葉も,ナイフの鋭い刃の様に思えました。
今はそんなに負担には感じないんですけどね。
*
美早希は小さな頃から「大人っぽい」と言われ続けてきた。
保育園の頃から,ずっとずっと。五年生が終わる頃になっても,ずっと「大人っぽい」「落ち着いてる」と。
少しでも年相応な性格になりたいと努力して,結局子供っぽすぎたかな,という性格が入って。
それでも,周りは彼女を「子供っぽい」とは言わなくて。
「お姉さんみたいだよね」
「リーダーシップある!」
「頼れる子だよ」
「落ち着いて大人っぽい」
「小さい頃から大人びてたね」
「独特の雰囲気がある」
「適応力がある,大人みたい」
「暴れ馬って感じも少しするけど,大人っぽいよ」
「大人っぽい」
「大人っぽい」
「大人っぽい」
「大人っぽい」
「大人っぽい」
自分の評価を周りに訊けば似たような答えばっか。如何して私はこんなにこのクラスに似合わないの?
クラスの子が大好きで,常に笑っていてほしくて,道化の仮面を被ったつもりだった。
だけど笑われると傷つき,笑ってくれると安心するなんて面倒臭い道化師になって,仮面は「偽る」ものなのに,自分を客に見せてしまって。
孤独では頭が真っ白,視界が真っ暗,自分が誰かもわからない状態で,心が圧し潰されそうになる。
「此処から亡くなれば苦しみから解放されるの?」
純粋な疑問の筈だったのに。
「目が淀んで,目線が高くなって,大人びた」
「子供扱いされたくて,甘えたかったのに周りはそれを許さない」
「どうして? 私もまだ子供だよ?」
「どうして誰も本当の私を見ないの! 道化師だからなんて言わないでよ!」
+
息が出来なくなるほど、甘えられないのは苦しく辛い。
周りに大人っぽい子が居る時は、たまには「甘えても良いよ」なんて,声かけてあげて。
もしかしたらその子は,辛さで悲鳴を上げてるかもしれないから。