大人オリジナル小説

ストレスを発散する方法は無くならない ( No.78 )
日時: 2010/05/05 11:21
名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

柚月の話。心のよりどころを探して,世界に絶望して,結局世界に嫌われたクレイジー。


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 響く音,喚く少女。

「虐めもリストカットも悪い環境も暴力も家庭内問題も麻薬も薬物乱用問題も人がッ,人が存在する限りなくならないんだよッ!」

 痛切な叫び声。誰も耳を傾けようとしない。背を向けようとする。向かい合おうとしない。誰も少女を見ようとしない。誰も綺麗事ばかり述べる。頑張ってるのに頑張れという。努力が足りないという。全て他人のせいにする。責任転嫁,馬鹿みたい。何故人は自分にとって都合のいいものを「真実」にする。都合の悪いものこそ「真実」なのに。誰も他人を優先できるほどよく出来てない。馬鹿ばかり。

「虐めは人のストレス解消法! 何かを守るもの! リストカットは自分の存在を確認する手段! 環境は人が存在してる証拠で悪い環境は人が悪いから! 暴力は人に力があるから! 家庭内問題は人が感情を持ってるから! 麻薬は人が疲れを感じてるから! 薬物乱用は世界に絶望してるからッ逃げ出したいから! 全部全部全部全部全部……人間が存在してるから無くならないんだよ! 虐めと向き合う!? そんなのできっこないじゃない! 相手が弱いだけでしょ!? そうでしょ! ねえ!!」
 
 泣き出しそうなほど歪んだ顔でクラスメイトに語りかける。
 黒板に書かれた「虐めや社会問題をなくすための努力」という文字を黒板消しで乱暴に消し,クラスメイトに向かって投げつけた。顔に的中する。目に粉が入って,泣きだした。こっちを睨む。
 あまっていた椅子を振り上げた。逃げ出すクラスメイト。遅れをとったクラスメイトの背中に,椅子をぶつけた。大声で泣き出す。まだ足りない。


「綺麗事ばっか言う奴らなんて,死ねばいい!」

 少女は叫ぶ。

「うるさいっ殺人鬼!」


 教育指導の教師は少女を抑え,怒鳴った。
 少女はまだ,怒りを抑える暴力をし足りない。



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言いたい事言わせた。
虐めもリストカットも無くなってほしいと思う反面,無くなるわけがないと思ってるんです。
酷い人,って自分でも思ってます。

この話にあったように,全部「人が存在する証」なのでなないでしょうか。
人が存在するから発生するもので,人が心を持ってるから起きてしまうもので。
人は高い知能をもってるから,嘘を語るのも簡単で。

醜くて美しい生き物だ。