大人オリジナル小説
- 楽しいけど何だか違う。変な居心地。 ( No.84 )
- 日時: 2010/05/14 17:55
- 名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc
楽しいけどそこにある不安。
実話。
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空に,静かに浮かんだ様に見えた。
私達は今日もおしゃべりをする。席が近くて,仲が良いから。私達は四年生の三学期に仲良くなり,五年生の時にグループになりいつも一緒に行動するようになった。コギャル気取り。
そんな五年生の三学期。あっという間もなく過ぎて行った楽しい時間を振り返りつつ,最後の一年間の過ごし方を考える。
そんな小難しい事考えてるのなんて,私だけだろうけど。
「来年のクラブどうするの? 二人は」
「ん,私は料理」
「うん,同じく料理に入ろうかなって」
「物好きな奴ら。あたしはイラストかな」
なんて言ってたのに,今やクラブ員五名の軽音楽部だ。
新しいクラブを作り,さんさん祭りと言う秋に行われる行事でライブ出来たらいいねえなんて暢気な事言いながらあんまり練習してない。
教室に行ってるのはドラマー・真菜とベーシスト・里香。クラスメイトに教えてもらおうとしているキーボーディストの私。コンクールなどで優勝している,母の友達のギタリストさんに教えてもらっているのがギタリスト・鈴。
仲は良いけど,何だか複雑。居心地は,冬の朝の布団並みに良い。
私達の学校は朝が早い。そのため冬の朝の布団の気持ちよさは半端ない。最早事件。
それでいつ楽器合わせて演奏するのとか,色々考える。私はクラブ長だから。
五月は確か,基礎練習とパート決め。後輩一人,その子には里香に要件を伝えると里香が妹に伝えその妹が後輩に伝えてくれる。便利。
「なんか爆発してしまえばいいと思うんだ」
「何が算数が」
「この世のすべて」
「言っちゃいけないよそういうこと」
「あたし女王だから何行っても許されんだよ」
「何その傲慢な発言,私魔王だから」
「あたしの国から一人勇者送って倒させてもらおう,行け勇者鈴!」
「ふははははは! 今こそその命奪わせてもらおうか!!」
「なんかずるくね!?」
「女王はよっぽどの事が無い限り自分では戦わない。いつも書類と戦ってるから」
やっぱりなんだかズレていく,だがそれが面白い。そんな日々。
そこにあるのは楽しみだけじゃなくて,「この関係が壊れる日がくるのかな」という不安。
皆根っこは優しいから。壊れそうになった時,どうするんだろうか。
私達は,傷ついても一緒に居るんだろうか。
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社会は小学生にも闇を与える。
子供は繊細。鳥の羽根の様に。