大人オリジナル小説
- この地上から宇宙を見ようとしたって見えないでしょう。 ( No.95 )
- 日時: 2010/05/22 18:23
- 名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc
彼女は泣いていた。
僕に縋った。「お願い,私の頭の中をどうにかして!」
残念だけれどどうする事も出来ないと彼女の頭を撫でた。
優しくゆっくり,かき混ぜた。
彼女はまた泣き始めた。僕の胸に顔をうずめて。
涙で服が濡れる感覚。悪くはなかった。
哀れで美しいと思う。
不謹慎かな。だけれども美しい。
彼女は一旦僕を見上げた。
涙でぐちゃぐちゃになってしまった目元を優しく撫でた。
(今日振られてしまったの,愛してたのに)
(ねえ貴方なら私を裏切らない? ずっと一緒に居てくれる?)
頷けない僕は,僕の心は。
+
一体何を望んでいるの。
見えない答えと真白の解答用紙。
幾億の星は僕を見下げて笑った。
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