大人オリジナル小説

静かにして。もう少しだから。 ( No.96 )
日時: 2010/05/22 18:42
名前: 黒紅葉 ◆uB8b1./DVc

自分ってなんだろうと思った。
確認する手段すら見当たらない可哀想な頭。
体中に走った赤い傷。
それでも自分がなんだかわからない。
何をしたいの何をもとめるの何がたりなのに何を


「のぞんでるの」


+


微かな希望すら奪われた少女の成れの果て





まだ沈黙。
まだまだ沈黙。
破らない破らない。びりびり。
空気はぴりぴり。誰かびりびりしてよこの空気。

+

不機嫌ないじめっこちゃんと面倒臭がりな幼馴染。





病気がちなんて馬鹿みたいと罵った。
あいつは笑った。
そしてころっと逝った。
小さい頃の,ころころ変わる表情みたいに。
下手くそな食べ方の時,転がり落ちた食べ物みたいに。
ころりころりと。
しかも最後に発した言葉があたしに対してとか何?
意味分かんない。相変わらずの馬鹿なんだ。

+

「好きだよ」だなんて,揺らいじゃうじゃない。
泣かないって決めたのに,揺らいじゃうじゃない。
あたしを強くしたあんたがあたしを弱くしたなんて,許さないんだから。
死んだりしたら殺すって言ったのに。
(それどっちにしても死ぬじゃん,なんて受け流したあんたどこにいんの,一発殴らせなさい)





ひらひらり。
舞い踊ってるあのアゲハ。
自由を手にした女神見たい。
あ,捕まった。
あ,逃げた。
そう,逃げて。誰にも見つからないところへ。

+

独占欲の強い神様に捕まらないように。



***

今までの小話集にする予定だったのに何故か思いつきで書いた小話集になりました。
社会問題でもなんでもないし!