大人オリジナル小説

Re: 終わらない戦い ( No.139 )
日時: 2011/02/16 17:25
名前: 鈴蘭

(NO.76の続き。過去編終了!)



「…っていうのが、3年前にあった出来事…」
香奈美の長い、長い昔話がようやく終わった。
榛名は涙を流し、幸人と拓斗は茫然としていた。

「…教室、戻ろっか」
榛名は泣きやんでいて、幸人と拓斗も心の整理がついたようだ。内心、とても驚いていたが何故いまさら洵は薫の前に姿を現したのかという疑問のほうが大きかった。
そんな胸中を見極めた榛名がポソリと口を開く。
「高塚…。高塚は野球の推薦で、東京の大きな高校に行っちゃったから…。だから洵ちゃんが現れたんじゃないかな…?」
榛名は人間観察が得意だ。クラス全体をよく見ているからだ。そんな榛名だからこそ、洵の心境がよく解った。
今まで仲よくしていた人間が遠くに行ってしまう辛さは、榛名自身も経験していることだからだ。

「………」
教室にたどり着くまで、静寂が続いた。